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R8 測量士 午前No.2 ITRFと我が国の位置の基準

ITRF(国際地球基準座標系)と、日本の測地系JGD2024についての問題です。座標軸の向きと符号がイメージできているかが分かれ目になります。

問題(実際の試験問題) PDFで開く/保存 ↗
令和8年 測量士試験(午前) の問題(試験問題のページ)

出典:令和8年 測量士試験 午前 問題(国土地理院公表)/国土地理院ウェブサイト(試験問題・解答例のページ

この問題の答え

正解は 4bcd が誤り)

まずITRFの座標軸を押さえる

ITRFは地球の重心を原点とする三次元の直交座標系で、軸の向きは次のとおりです。ここさえ分かれば、b〜dはすべて解けます。

向き(正の方向)
X軸経度0°(グリニッジ)と赤道の交点の方向
Y軸東経90°と赤道の交点の方向
Z軸北極(自転軸)の方向

選択肢ごとの解説

a.我が国の測地系JGD2024は、ITRFに基づいている。 → 正しい

日本の測地系はITRFを基礎にしています。世界共通の座標系に合わせることで、GNSS(衛星測位)の結果をそのまま使えるようにしています。

b.測量法が規定する回転楕円体は、WGS84である。 → 誤り

正しくはGRS80楕円体です。WGS84はGPSが使っている楕円体で、名前は似ていますが測量法が定めているものとは違います。「測量法=GRS80」とセットで覚えてください。

c.北海道と九州をITRFで表すと、Y座標は北海道の方が大きい。 → 誤り

Y座標が大きいのは九州です。Y=地心からの距離×cos(緯度)×sin(経度) で決まります。

  • 北海道(約43°N・141°E):cos43°×sin141°≒0.731×0.629=0.460
  • 九州(約34°N・130°E):cos34°×sin130°≒0.829×0.766=0.635

九州は「緯度が低いのでcosが大きい」うえに「東経90°に近いのでsinも大きい」ため、両方の効果でYが大きくなります。

d.我が国の位置をITRFで表すと、X座標の符号は正である。 → 誤り

日本は東経約135〜140°にあります。X=cos(緯度)×cos(経度) で、cos135°〜cos140°はマイナスなので、X座標はになります。

e.X・Y・Zの座標値が全て0になる点は、地球の重心である。 → 正しい

ITRFの原点は地球の重心です。定義そのままの記述です。

間違えやすいポイント

  • GRS80とWGS84の取り違え。測量法はGRS80。
  • 日本のX座標は、Y座標は、Z座標は(北半球なので)。この符号の組合せは頻出です。