R5 測量士 午後No.2 選択〔No.2〕基準点測量・水準測量
基準点測量の工程、TS・GNSS観測の点検、セミ・ダイナミック補正、水準網平均計算を扱う問題です。図表と計算のつながりを順番に解説します。
問A-1 1級基準点測量の作業工程
ア=測量標の設置 イ=観測 ウ=計算 エ=品質評価
オ=測量作業方法の決定 カ=測量機器の決定 キ=土地立入りの手続 ク=既知点の現況調査 ケ=永久標識の設置 コ=新点の写真撮影 サ=使用機器の点検及び調整 シ=点検測量 ス=平均計算 セ=成果等の点検整理
工程は「作業計画→選点→測量標の設置→観測→計算→品質評価→成果表の整理」です。先に方法と機器を決め、現地の点を選び、標識を設けてから観測する流れで覚えます。
問A-2 平均図を事前承認する理由
後の作業に影響するため、規定条件から外れていないか、新点の配置密度が適切かを測量計画機関に事前確認してもらうため。
平均図(点と観測路線の計画図)が不適切だと、観測後に大きな手戻りが生じます。そのため、後続作業を始める前に承認を受けます。
問A-3 位置正確度の品質評価
新点の水平位置及び標高の標準偏差を計算し、許容範囲内か確認する。
標準偏差は、計算結果のばらつきの大きさを表す値です。水平位置と標高について求め、決められた上限を超えていないか確認します。
問A-4 各工程で作成する成果
工程2(選点)=建標承諾書 工程3(測量標の設置)=点の記 工程5(計算)=精度管理表
土地所有者の承諾は設置前、点の詳しい記録は設置後、精度を示す表は計算後に作ります。書類を作る時期から逆算すると判断できます。
問B-1 平均計画図の不適切な箇所
・B~(7)~(8)~(10)~(11)~(9)の路線長が1 kmを超える
・点(11)が外周路線の条件を満たさない
・点(1)~(3)の新点間距離が200 mより大幅に短い
3級基準点測量では、路線長1 km以下、新点間距離200 mを標準とします。新点が既知点で囲まれた網の外へ大きく飛び出していないかも確認します。
問B-2 現況調査・再測・閉合差
ア=基準点現況調査報告書 イ=倍角差 ウ=高度定数の較差 エ=水平位置の閉合差 オ=方向角
水平角は倍角差、鉛直角は高度定数の較差で再測の要否を判断します。既知点間では、座標から出した方向角と観測方向角を比べ、水平位置の閉合差(測量のつながりのずれ)を確認します。
問B-3 TSの器械誤差と消去方法
カ=鉛直軸 キ=水平軸 ク=望遠鏡正反で観測し平均 ケ=望遠鏡正反で観測し平均 コ=目盛盤の位置を変えて観測
視準線誤差と水平軸誤差は、望遠鏡の正・反両方で観測して平均すれば消せます。目盛誤差は目盛盤の位置を変えて軽減します。鉛直軸誤差は正反観測では消えないため、丁寧な整準(機器を水平にする作業)が必要です。
問C-1 GNSS観測のセッション計画
最少3セッション。各セッションで最大4点を同時観測し、隣り合うセッションに共通点を設けます。
GNSS測量機が4台なので、一度に観測できるのは4点です。全11点を覆うには最低3回必要です。各回を共通点でつなぎ、観測網が分断されないようにします。
問C-2 観測値の点検路線
異なるセッションで重複して観測した基線、又は異なるセッションの基線を組み合わせた閉じた環に点検路線を設定する。
点検方法は「同じ二点間を別の回に測った結果の比較」と「複数の基線を一周してずれを確認する環閉合差」です。同じセッション内だけの環は、観測が独立していないため点検になりません。
問C-3 セミ・ダイナミック補正が必要な理由
基線長が長く、元期からの時間経過による地殻変動の影響で、周囲の基準点成果と不整合が生じるおそれがあるため。
元期は座標値の基準となる時点です。電子基準点だけを既知点にすると長い基線になりやすく、その間の地殻変動を補正しないと既存成果とのずれが目立ちます。
問C-4 セミ・ダイナミック補正の計算手順
ア=元期座標 イ=加える ウ=今期座標 エ=今期座標 オ=減じる カ=元期座標
「元期座標に補正量を加えて今期座標へ変換→今期座標で基線解析→補正量を引いて元期座標へ戻す」という往復です。観測は現在、成果は基準時点という違いを意識します。
問D-1 水準網の観測方程式
VST=XT−XS+0.021
VUT=XT−XU−0.016
VGU=XU+0.009
終点の仮標高から始点の仮標高を引き、観測高低差との差を残差Vとして表します。負の観測値を引くとプラスになるため、符号を一行ずつ確認します。
問D-2 係数行列・定数・重量
ア=−1 イ=1 ウ=−1 エ=1
オ=−0.007 カ=−0.021 キ=0.016 ク=−0.009
ケ=1 コ=0.5 サ=0.25
係数行列には各式のXの係数を入れます。定数ベクトルは式の形V=AX−Lに合わせて符号を反転します。重量(観測の信頼度)は距離の逆数なので、1 km、2 km、4 kmは1、0.5、0.25です。
問D-3 標高の最確値と変動量
変動が最も大きい点=水準点U / 差の絶対値=27 mm
行列計算で補正量はS=−2.6 mm、T=−19.3 mm、U=−26.5 mmです。絶対値が最大なのはUで、小数第1位を四捨五入すると27 mmになります。最確値は、複数の観測を重みに応じて調整した最も確からしい値です。

